和田 永さんをご存知ですか?
古い家電やオープンリール式レコーダーを楽器に改造して演奏する異色のアーティストです。
先日は、バンド「ずっと真夜中でいいのに」にも参加されていましたね。
そんな和田永さん。
2021年の「新・情報7daysニュースキャスター」で特集されるなど、知る人ぞ知る天才です。
和田永さんとは何者なのでしょう。
でも2024年現在は、ウィキペディアでも詳しい情報の掲載はない様子…。
そこでwiki的プロフィール・経歴をまとめました。
和田永(家電楽器)は何者?wiki的プロフィール・経歴
- 名前: 和田 永(わだ えい)
- 本名: 非公表(ただし和田永が本名の可能性あり)
- 生年月日: 1987年(2024年現在は37歳へ)
- 出身: 東京都
- 大学: 多摩美術大学情報デザイン学科
- 中学・高校: 非公表(アーティストを多く輩出している中高一貫校で、生徒会長も務めていた)
- 妻と子供: 非公表
- 活動: 古い家電やオープンリール式テープレコーダーを楽器として使った演奏活動・美術作品の制作
- 所属: Open Reel Ensemble(主宰)
- プロジェクト: エレクトロニコス・ファンタスティコス!
和田永さんのプロフィールや経歴については、あまり詳細を公表されていません。
妻や子ども、彼女の存在も不明です。
ただもしかすると、和田永さんのライブやワークショップなどでは、話があるのかもしれませんね。
「新・情報7daysニュースキャスター(2021.5.22放送)」でも、その辺はぼんやりとぼかされてしまいました…。
和田永の活動は?家電楽器って何?【動画あり】
【動画】和田永が作り出す家電楽器の世界とは?
和田永さんの活動は、なかなかユニークなものです。
- オープンリール式テープレコーダーを改造して旋律をつくりだす
- ブラウン管テレビを叩いて音楽を奏でる
- 古い家電を楽器に蘇らせて、インストゥルメンタルミュージックを演奏する・・・
扇風機やエアコン、ブラウン管テレビに換気扇など、和田永さんが楽器に蘇らせているのは、使い古されて古色蒼然とした家電です。
これら家電が発する電気信号をスピーカーにつなげ、音階や音色を創り出すのが和田永さんのすごいところです。
そして古い家電を並べた光景や、エレクトリックな光線も交えた和田永さんのライブ風景は、音楽と美術のいずれでも芸術性が高いと評価されています。
ずらりと円陣となって並んだブラウン管テレビ、黒電話、ラジオ。いまでは見る機会も減ったオーヴァーヘッドプロジェクターには、教材フィルムではなく換気扇が乗せられている。
20余人がそれぞれの「古家電」を叩いたり回したりして音楽を奏でるプログラム「エレクトロニコス・ファンタスティコス」の中心で、ひときわ楽しそうにブラウン管テレビを叩き、足踏みをしている人物が、自らを「産卵家」と呼ぶ和田永、その人だ。
出典:WIRED(2016.6.8)
和田永さんの演奏スタイルを言葉で表現するのは、実際のところなかなか難しいです。
動画をご覧になった方がわかりやすいでしょう。
【動画】和田永 エレクトロニコス・ファンタスティコス! (2018)
鬼才の芸術家といえば、こんな映画監督も・・・!
和田永のブラウン管ガムランとは?
和田永さんが手がけた家電楽器として有名なものでは、「ブラウン式ガムラン」があります。
ガムランとは、インドネシアの伝統音楽ですね。
金属製・木製・竹製の打楽器の合奏で、響き合う共鳴音で神秘的な雰囲気が魅力です。
和田永さんは、それをブラウン管テレビで作り出したのです。
和田永)ブラウン管から出る静電気を手でキャッチし、足元に仕込んだコイルからギターアンプを通じて音が鳴るようにします。すると、画面を手で叩くたびに音が鳴る楽器になります。ブラウン管に映る縞模様の本数によって電気の波長が変わり、音程も変わるというわけです。
出典:週プレNEWS(2020.3.11)
廃棄された家電を叩いて、その打撃音のリズムでパフォーマンスを行う例は他にありますが、電子音を引き出すとはあまり聞いたことがありません。
芸術大学を卒業した和田永さんですが、元々は理系分野が得意なのでしょうか。
和田永が所属する「Open Reel Ensemble」とは?【動画あり】
和田永さんは、自身が主宰する音楽グループ「Open Reel Ensemble」にて演奏活動を行っています。
そのパフォーマンスは、改造したオープンリール式テープレコーダー複数台を操作し、プログラミングされたパソコンとも連動しながら、エレクトリックな音楽を造り出すというもの。
都内を中心にライブ活動を重ね、コロナ禍の現在でも、オンライン配信を不定期に実施しています。
そんな「Open Reel Ensemble」ですが、結成は2008年。
当時の和田永さんは、多摩美術大学に在学中で、中心メンバーの佐藤公俊さんと吉田悠さんは同級生でした。
和田)(授業の課題制作で)たまたま佐藤君とチームを組んだんですね。いろいろとアイデアを出したり提案をする中、僕がいままでに集めてきたオープンリールを何台も大学に持ってきて、グループの仲間にプレゼンしたんです。
これ、バンドにできるんじゃないかって。ちょうどその時、僕らはプログラミングや電子工作を勉強していて、オープンリールとドッキングして何かやったら熱いって。それやろう! と盛り上がったのがはじまりです。
そこから約2か月かけて、寝る時間も惜しみながらみんなで協力して初号機と演奏曲をつくった。いま思えば地獄のような作業でしたが、変なエネルギーに導かれていました。
出典:Tokyo Art Navigation(2009.11.26)
変なエネルギーに導かれましたか、そうですか。
最初は、学生の課題制作として出発したオープンリール式テープレコーダー演奏でしたが、そのまま活動を継続した和田永さん。
美大在学中から高評価を受け、彼ら「Open Reel Ensemble」は、「SIGGRAPH Asia 2009」Art Gallery入選や「第14回学生CGコンテスト」インタラクティブ部門の優秀賞に輝いています。
その後、平成29年度(第68回)芸術選奨メディア芸術部門 文部科学大臣新人賞(2016年)も受賞してました。
ちなみにオープンリール式テープレコーダーとは、カセットテープが普及する以前に、録音メディアとして使用されていたもの。
リールに磁気テープが巻かれており、手のひらからはみ出すほどの大きさでした。
現在では、一般的にはほとんど見かけないオープンリール式テープレコーダー。
実際に和田永さんが演奏する動画はこちらです。
コアなファンを持つミュージシャンといえば、MARUOSAも・・・↓
和田永が家電楽器を作り始めたきっかけは?
そもそもなぜ、和田永さんはオープンリール式テープレコーダーに興味を持ったのでしょう。
その原点は、小学生時代までさかのぼります。
元々カセットテープに自分の声を録音し、それで遊んでいた和田永さん。
映画で見かけたオープンリール式テープレコーダーにも興味を持っていたところ、知人がそれをプレゼントしてくれたのだとか。
最初は録音するだけで満足していた和田永さんでしたが、中高生ともなると、いろいろと手を加えてみたくなります。
その結果、ある日オープンリール式テープレコーダーを倒して壊してしまったのでした。
和田永)家電を楽器に変えるきっかけになったのは、中高生のころにいじっていたオープンリール。
モーターが壊れて手で回したときにこれまた時空がゆがんだような摩訶不思議な音が鳴って、それこそ知らない国の楽器に出会ったような衝撃がありました。同時に、自分の体の動きと音が連動する体験をしたわけです。
初めてギターの弦を弾いて、ジャーンと音が鳴ったときのような感覚でした。その後、「Open Reel Ensemble」の結成につながっていきました。
出典:六本木未来会議(2019.2.13)
私自身は、学生時代までカセットテープを使っていた世代です。
オープンリール式テープレコーダーには詳しくありませんが、カセットテープを手動で巻いた時に「ジャッジャッ」と音がするのは知っています。
でもねぇ。
それに感激したことはなかったです。
このあたりの瑞々しい感覚が、和田永さんのセンスや才能を示すものなのでしょうね。
凡人には、「ジャッジャッと音がする」のそれ以上でも以下でもありませんから。
そしてオープンリール式テープレコーダーでの演奏から派生して、古い家電から楽器を造り出すことへ発展していった和田永さん。
作品の中には、扇風機を改造した「扇風琴(きん)」や「エアコン琴(きん)」なんてものもあります。
すごいな!
和田永(家電楽器)は何者なのか、wiki的プロフィールをまとめてみたら・・・
唯一無二の家電楽器を作り出し、電磁的な音を束ねて、エレクトリックな音楽を演奏する和田永さん。
その活動は海外でも評価されつつありますが、ウィキペディアには、まだ「和田永のページ」はありません。
そこで今回、wiki的プロフィール・経歴をまとめてみました。
- 詳細なプロフィールや経歴は非公表で、妻や子供、彼女の存在は不明
- 多摩美術大学の卒業生で、在学中から音楽活動を始めていた
- 家電楽器に使われるのは、使い古された家電製品で、電気信号を利用して音を出す
- 打撃音など原始的な音だけでなく、パソコンのプログラムで電気信号をキャッチし、エレクトリックな音楽に転換する
- 主宰する音楽グループは「Open Reel Ensemble」
- オープンリール式テープレコーダーを使って音楽を演奏するが、その原点は小学生時代までさかのぼる・・・
ちなみに所属する音楽事務所の高石陽二氏(マネージャー)は、和田永さんの人間性について、こんなことをインタビューで語っています。
髙石:最大の魅力は、子どもがそのまま大人になったような純粋な感性の持ち主であるということですね。そして、ものづくりに対する意欲がとにかくすごい。
(中略)
その独創性、精力的でありながら狂気的に活動に取り組む姿勢は、学生時代からまったく変わっていません。ものづくり以外には、ほぼ興味がないんじゃないかというぐらいです(笑)。
彼の才能を評価してくれるアーティストもたくさんいるのですが、欲がないというか、本当にマイペース。見ているこちらが慌ててしまうほどです(笑)。
出典:Sony Music Cocotame(2018.12.5)
和田永さんは、2024年に37歳という若さです。
今後の活躍もとっても楽しみです。