大ヒットしたアニメーション映画「竜とそばかすの姫」。2021年7月の公開2か月弱で、なんと興行収入は52億円を超えました。
この作品が長編アニメ6作目の細田守監督。
前作アニメ「未来のミライ」に続き、ヒットメーカーぶりは健在です。
その一方で、こんな意見がネット上を騒がせています。
- 「竜とそばかすの姫」は、「美女と野獣」の丸パクリ?
- ディズニーに訴えられないの?大丈夫?
あら、まあ。
映画「竜とそばかすの姫」のどの部分について、パクリだと話題になっているのでしょう。
ディズニー映画「美女と野獣」とそっくりだとされる部分について、画像も含めてパクリ疑惑をまとめました。
そしてなぜ、「竜とそばかすの姫」と「美女と野獣」はそっくりになのか。
その理由も2つ紹介します。
「竜とそばかすの姫」が「美女と野獣」のパクリとされる部分はどこ?
【「竜とそばかすの姫」パクリ疑惑①】名前や基本設定
タイトルが似ていることはさておき、注目されたのは、主人公たちの名前です。
主人公の本名は、内藤鈴(ないとうすず)。
そして、物語のメインとなるインターネット空間での名前(通称)は、ベルです。
もうひとり、物語のキーマンとなるのが「竜」。
映画の中では、BEAST(獣)と表記されています。
ちなみに、ディズニー映画「美女と野獣」では、主人公の美女の名前が「ベル」。
原題は、「Beauty and the Beast」。
うーん、そのまんまじゃないですか。
そしてストーリーの基本設定も、双方こんな感じです。
- 美女が野獣と出会う
- 野獣はみんなの嫌われ者
- 美女も最初は怖がるが、野獣の事情も察する
- 美女のおかげで、野獣も心を開く
- 最終的に仲良くなる
後述しますが、細田守監督は「美女と野獣」をモチーフにして、「竜とそばかすの姫」を製作したと明かしています。
いや、それにしても・・・。
ディズニー作品を思わせる部分は、他にも指摘されていますね。
【「竜とそばかすの姫」パクリ疑惑②】バラ
「竜とそばかすの姫」でパクリを指摘されているのは、バラ(薔薇)です。
ディズニー「美女と野獣」では、バラは重要なアイテムとして欠かせない存在です。
野獣にされてしまった元王子にとって、その魔法(呪い)を解くための方法はひとつ。
バラの花が散る前に、「真実の愛」を手に入れることでした。
そして、「竜とそばかすの姫」でも、バラが繰り返し登場し、ストーリーの展開に寄与します。
主人公のベルは、バラのドレスだって着てますもんね。
ちなみにディズニー「美女と野獣」も、元はと言えばオリジナルストーリーではありません。
フランスの古典作品、ヴィルヌーヴ夫人の書いた「美女と野獣」が元ネタです。
その原作にもバラは登場しますが、物語の前半のみ。
バラの存在感を高め、キラーアイテムに仕立て上げたのは、ディズニー「美女と野獣」だったとされています。
【「竜とそばかすの姫」パクリ疑惑③】ダンスシーン
「竜とそばかすの姫」とディズニー「美女と野獣」、ダンス(舞踏)シーンがそっくりと話題です。
これは、映画公開前のプロモーション動画の時点で、すでに指摘されていましたね。
- 年代を重ねた古い、そして薄暗いお城
- 社交ダンス風にふたりが踊る
- 心が通ったような手応えを感じる・・・
それは良いのですが、前後のストーリーからすると、やや強引で突然な印象もあるようです。
そして、そもそも「シャンデリアの下で踊る」その画像(画角)自体が、ディズニー「美女と野獣」のパクリだと指摘する声も・・・。
竜とそばかすの姫、ダンス?のとこがほんとに美女と野獣で、本家のダンスの場面でシャンデリアが一瞬手前に被るカメラワークのとこが一番好きなんですけど、細田監督と解釈一致してて、そうそうそうなのよーってなりました。
Originally tweeted by ぴぴ (@piiiipipipippi) on 2021年8月24日.
『竜とそばかすの姫』みてきた。
良い点:歌
悪い点:ストーリー性がイマイチで何を伝えたいのかがわからない。
色々と急展開過ぎる…何も考えず普通に見るのには、良いと思うが、美女と野獣のダンスシーンもろパクリはアカンやろw
Originally tweeted by 七夜 (@yuka_pelo) on 2021年7月17日.
「竜のお城」そのものも、ディズニー「美女と野獣」の城を連想させるような・・・。
どうでしょうね。
【「竜とそばかすの姫」パクリ疑惑④】絵柄
「竜とそばかすの姫」とディズニー「美女と野獣」、そもそも絵柄が似ているという指摘もあります。
例えば、パクリ疑惑に挙がっている「ベルと竜(野獣)」の舞踏シーン。
シチュエーションの酷似もそうですが、階段の配置やお城内部の情景が似ている・・・。
ディズニーファンを中心に、これがSNS上で話題です。
また、「竜」のシルエットが「野獣(ディズニー「美女と野獣」)」にそっくりでパクリみたい・・・というコメントもありますね。
「竜とそばかすの姫」と「美女と野獣」、なぜそっくり?
「竜とそばかすの姫」がディズニー「美女と野獣」のパクリ作品なのかどうかはさておき。
二つの作品がよく似ているのは、二つの理由があります。
キャラクターデザインは同一人物?
「竜とそばかすの姫」のキャラクターデザインを担当した1人は、ジン・キム(Jin Kim)氏。
実はこの方、ディズニーのアニメーション映画で活躍するアニメーターなのです。
ジン・キム氏が今まで手掛けてきた作品はこちら。
- アナと雪の女王
- 塔の上のラプンツェル
- ベイマックス
- モアナと伝説の海
そして今回、ジン・キム氏は、主人公が仮想空間で活躍しているときのアバター、「ベル」のキャラクターデザインを担当しています。
「竜とそばかすの姫」では、実社会の「内藤鈴」よりも、仮想空間で「ベル」が活躍する時間の方が、圧倒的に長く描写されています。
その「ベル」をデザインした人物は、ディズニー映画も手がけている・・・。
「竜とそばかすの姫」がディズニー「美女と野獣」と似ているように見える理由のひとつでしょう。
細田守監督が「美女と野獣」をオマージュ?
「竜とそばかすの姫」は、「美女と野獣」のオマージュである。
実は、細田守監督ご自身がそう語っています。
それは、2021年7月6日に行われた完成報告会見でのことでした。
「今回は映画を作るうえで一番初めの発想が“インターネットの世界で『美女と野獣』をやったらどういうことになるか”というものでした。
(中略)18世紀に書かれた物語ですけど、現代の日本でインターネットを介して表現できたら、どんな恋物語になるのか、どんなロマンスがそこにあるのか。
『美女と野獣』が大好きなので映画にできて光栄、幸せだなと思っております」
出典:シネマトゥデイ(2021.7.14)
「竜とそばかすの姫」が「美女と野獣」の現代版であることは、まあ一目瞭然ですもの。
細田守監督の言葉にウソはなさそうですよね。
ただ、ディズニー「美女と野獣」と似ている点については、どうなのでしょう。
別のインタビューでは、「ディズニー「美女と野獣」の野獣にインスパイアされた」とも語っている細田守監督。
ディズニー「美女と野獣」と似ている描写が、「オマージュ」なのか、それとも「パクリ」か。
表現作品とは難しいものですね。
細田監督「竜とそばかすの姫」パクリ疑惑はどこ(画像)?なぜそっくり?まとめ!
大ヒット上映となった長編アニメ映画「竜とそばかすの姫」。
この作品は、第74回カンヌ国際映画祭でも上映され、国際的にも評価を受けています。
しかし「竜とそばかすの姫」に、ディズニー「美女と野獣」のパクリを疑う声が・・・。
「竜とそばかすの姫」の中で、パクリだと指摘されている部分をまとめると、
- 名前や基本設定
- バラが重要なアイテムになっている
- ダンス(舞踏)シーン
- 絵柄が似ている・・・
二つの作品がよく似ている理由は、
- ディズニー映画も手がけるアニメーターが参加している
- 細田守監督もディズニー「美女と野獣」にインスパイアされたと語っている
「竜とそばかすの姫」がディズニー「美女と野獣」のオマージュなのか、それとも「パクリ映画」なのか。
それは、映画を観るひと次第・・・でしょうか。