ついに開幕した2020東京オリンピック。
2021年7月23日に開催された開会式では、終盤のドローン演出が話題になりましたね。
ジョン・レノンの名曲「イマジン」が流れる中、光り輝く無数のドローンが登場。
東京五輪のエンブレムを描き、最後には地球儀の形へと、見事な3Dショーでした。
国内外から高く評価されたドローン演出ですが、お隣の韓国メディアからは意外な反応が・・・。
ドローン演出は、平昌冬季(2018年)オリンピックのマネだ
えー、それって本当でしょうか?
2020東京五輪のドローン演出は、平昌冬季五輪のマネ・パクリだったのか。
韓国メディアの主張は一理あるのか、それとも違うのか。
両大会の動画と、公表されているデータや情報で検証してみました。
【韓国の主張】開会式のドローン演出は平昌冬季五輪のパクリ?
2020東京オリンピックの開会式について、韓国メディアはどう報じたのでしょうか。
全国紙(韓国)の見出しをいくつか紹介します。
「平昌がモチーフ?東京の夜空に浮かぶ“ドローン地球儀“」(聯合ニュース)
「平昌の真似?それでも見応えのあったドローンパフォーマンス」(イーデイリー)
「平昌に似ている?夜空を彩る1824台のドローン」(KBSニュース)
「平昌五輪の真似?ドローンで作り出した地球」(マイ・デイリー)
出典:JBpress(2021.7.25)
あら、まあ。
はっきり「2020東京オリンピックのドローン演出は、平昌のマネをした」と書かれていますね。
ちなみに平昌冬季五輪のドローン演出の画像がこちら。

そしてこちらが、2020東京オリンピックのドローン演出のハイライト画像。
圧巻の地球儀です。

どっちも素敵ですけどね。
ただ、「マネした!パクリだ!」と隣国が声高に主張するのは、率直に疑問を感じます。
平昌冬季五輪と2020東京五輪、それぞれのドローン演出を動画で見てみましょう。
そして、公式発表されたデータから、それぞれの特徴もまとめました。
【動画】平昌冬季五輪で導入されたドローン演出とは?
まずは、平昌冬季五輪でのドローン演出を動画で見てみます。
【動画:2018平昌冬季五輪(開会式)のドローン演出】
素直な感想として、とても素敵な演出だと思います。
韓国のみなさんが誇りに思うのも、もっともですね。
オリンピック開会式へ、ドローンによる演出を取り入れたのは、確かに平昌冬季五輪が初めてです。
ちなみに使用されたドローン機は、1218機。
入念な準備の上で事前録画し、それを当日に放送しています。
そして手がけたのは韓国企業ではなく、アメリカのインテル社でした。
【動画】2020東京五輪のドローン演出とは?
それでは、今回2020東京オリンピックの開会式で披露されたドローン演出の動画です。
【動画:2020東京五輪(開会式)のドローン演出】
うーん、何度見ても飽きません。
国立競技場は大都会にありますから、ビル風・突風もあるでしょうに、一糸乱れぬ動きは圧巻です。
そして使用されたドローンは、1824台。
事前録画だった平昌冬季五輪に対し、2020東京オリンピックは、その場で操作されています(リアルタイムの演出)。
今回も、手がけているのはアメリカのインテル社ですね。
ドローン演出をビッグイベントに初めて採用したのは、実はレディ・ガガ

韓国メディアが主張する「ドローン演出を初めて採用したのは、平昌冬季五輪」の主張。
それはその通りです。
ただスポーツのビッグイベントという意味では、初めてではありません。
双方の大会でドローン演出を手がけたインテル社(米国)の発表ではこうです。
最初にドローン演出を使ったのは、歌手のレディー・ガガさん。
世界最大級のスポーツイベント、スーパーボウル(アメリカ)での出来事ですね。
スーパーボウルとは、アメリカンフットボールリーグ「NFL」の優勝決定戦のこと。
全米をあげてのビッグイベントで、小さい国の国家予算以上の経済効果があるのだとか。
平昌五輪の1年前、2017年2月にテキサス州ヒューストンで開催された第51回スーパーボウルのハーフタイム・ショーに出演したレディー・ガガは、ドーム・スタジアムである会場のNRGスタジアムの屋根に立って、300台のドローンが描く星空をバックに、「第2のアメリカ国歌」とも呼ばれる「God Bless America」を熱唱。曲が「This Land is Your Land」に変わると、星の色も赤、青、白に変わり、そのまま星条旗へと変化した。
出典:ヤフーニュース(2021.7.24)
ちなみにこの時も、ドローン演出部分は録画映像を使用。
レディー・ガガさんの登場からがライブだったそうです。
うーん、2020東京五輪でのドローンが「平昌冬季五輪」のマネだとしたら、こう言えそうです。
平昌冬季五輪のドローン演出は、アメリカスーパーボウルのパクリだ。
何と言うか、不毛なやり取りとしか思えませんけども。
【動画】開会式ドローンは平昌パクリ?韓国批判も実際は?【2020東京オリンピック】まとめ

不祥事を乗り越えて開催された2020東京オリンピックの開会式。
全体の演出には賛否両論ありますが、ドローン演出については、圧巻のひとことでした。
【チェック!】開会式の演出責任者、小林賢太郎さんが速攻で解任された事情はこちら↓
しかしお隣の韓国メディアは、「2018平昌冬季五輪のマネだ」と主張しているようです。
そこで、動画や公表されているデータ・事実を検証してみると、
- 動画で比較すると、平昌も東京もドローン演出は素晴らしい
- 使われたドローン機は、2020東京五輪が606台多い
- 事前録画だった平昌に対し、東京ではリアルタイムの稼働演出
- オリンピックでの採用は、確かに平昌冬季五輪が初めて
- ただし最初に採用したビッグイベントは、世界的スポーツイベント「スーパーボウル(米国)」
現代のオリンピック開会式で採用されている演出のほとんどは、戦後の大会からです。
華やかな演出に花火、最終聖火ランナーのショーアップもそうです。
いちいち「マネした・パクリだ」と言っていたら、入場行進と偉い人の挨拶だけしか出来なくなりそう。
素晴らしいものは、率直に素晴らしいと言えるのが、きっと一番ですよね。