2020東京オリンピックの開会式に関し、演出担当の小林賢太郎さんの過去が取沙汰されています。
2021年7月22日に電撃解任となったので、元演出担当ですが・・・。
既に2020年に引退しましたが、小林賢太郎さんは元々はお笑い芸人「ラーメンズ」として活動。
若い頃のネタ動画の一部「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」が人権問題に関わるとして、批判を受けています。
23日に行われる東京オリンピックの開会式でショーディレクターを務めるコメディアンの小林賢太郎さん(元ラーメンズ)が、ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)をパロディーにしたとみられるコントの動画がインターネット上で拡散している。
米国のユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」は21日、「反ユダヤ主義の発言」として非難する声明を発表した。
出典:毎日新聞(2021.7.22)
過去の「いじめ武勇伝」が炎上して辞任したミュージシャン小山田圭吾さんと共に、オリンピックの開会式担当して、相応しくないのでしょうか。
ただし小林賢太郎さんについては、ネタの中で「ユダヤ人大量虐殺はあってはいけない」と主張もしており、小山田圭吾さんと同列に扱うべきか、ネット上でも意見が分かれています。
現在炎上中の小林賢太郎さんのネタ、「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」とはどんな内容なのでしょうか。
動画と共に紹介します(動画は目次の後に掲載しています)。
またネット上での意見もまとめました。
【動画】小林賢太郎の「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」
小林賢太郎の炎上している過去ネタ 「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」 「ホロコーストいじり」、動画はこちらです。
【動画:小林賢太郎の「ユダヤ人大量虐殺」をやゆしたと話題の部分】
うーん、元々風刺やブラックユーモアの効いたネタが小林賢太郎さんの持ち味ですからね。
あくまでも「絶対やってはいけないこと」として、ユダヤ人の大量虐殺・ホロコーストを例に出した・・・
動画を見た限りでは、そういう風にも感じられるのですが、どうでしょう。
【動画の解説】小林賢太郎の「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」文字起こし
今回話題になった「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」に関するネタは、小林賢太郎さんがラーメンズ時代に発表したものです。
ちなみに、1998年5月発売のVHSビデオ「ネタde笑辞典ライブ Vol.4」に収録されています。
ラーメンズが得意とする「人気番組のパロディネタ」で、モチーフはNHKの教育番組「できるかな」ですね。
1970~1990年にNHKで放送された人気番組でしたから、今の40代から上の世代には知名度抜群でした。

♪でっきるかな、でっきるかな~?
こんなメロディに乗せて、背の高い「ノッポさん」と着ぐるみキャラクター「ゴン太くん」がチョキチョキ工作する、あの番組です。
ラーメンズのネタでは、「ノッポさん」を小林賢太郎さん、「ゴン太くん」は相方の片桐仁さんが演じていました。
問題の「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」は、コントの中盤に登場します。
「ノッポさん」と「ゴン太くん」は、番組企画について相談しているシーンです。
ゴン太くん:来週、何やるか、決めちゃおうね。何やる?
ノッポさん:ああ、じゃあ、トダさんがさ、ほらプロデューサーの。「作って楽しいものも良いけど、遊んで学べるものも作れ」って言っただろ。
そこで考えたんだけど、野球やろうと思うんだ。いままでだったらね、新聞紙を丸めたバット。ところが今回はここにバットっていう字を書くんだ。
いままでだったら「ただ丸めた紙の球」。ここに球っていう字を書くの。そしてスタンドを埋め尽くす観衆。これは人の形に切った紙とかでいいと思うんだけど、ここに人って字を書くんだ。つまり文字で構成された野球場を作るっていうのはどうだろう?
ゴン太くん:いいんじゃない。ちょっとやってみようか。ちょうどこういう人の形に切った紙がいっぱいあるから。
ノッポさん:本当?ああ、あの「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」やろうって言った時のな。
ゴン太くん:そう、そう、そう、そう、そう。トダさん、怒ってたなあ。
ノッポさん:「放送できるかっ!」ってな。
出典:ラーメンズ「ネタde笑辞典ライブ Vol.4」
いかがでしょう。
要点をまとめるとこうです。
- 身近なものを使った工作の楽しさを伝える「教育番組」
- 群衆が必要だから、紙で工作しよう♪
- あ、そういえば前に作ったよね?
- そうそう、「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」の話のとき・・・
平和な設定・会話と「凄惨な事件」
ユダヤ人の大量虐殺(ホロコースト)が人類の悲劇で、絶対繰り返してはダメと共通認識がないと、笑えないネタです。
ブラックユーモアの定番パターンですね。
そして最後に、
「放送できるかっ!」ってな。
オチがついていました。
西欧の価値観では「一発アウト」?小林賢太郎は解任へ
2021年7月22日、小林賢太郎さんが2020東京オリンピックの演出担当を解任されたことが明らかになりました。
その理由は、やはり「 ユダヤ人大量殺戮 」発言のあったネタ動画です。
西欧文化圏の認識では、ユダヤ人大量虐殺(いわゆるホロコースト)を笑いのネタに使うことは、どんな文脈であっても許されないことなのです。
国際オリンピック委員会(IOC)の事情に詳しい大会関係者は「西洋の価値観と真っ向からぶつかる発言でメガトン級。五輪が潰れかねない。
小林氏をやめさせるだけでは済まず、選手入場だけにするなど開会式全体の演出を変える必要がある」と話す。
出典:毎日新聞(2021.7.22)
2020東京オリンピックの開会式は、7月22日。
翌日に迫る中での解任劇・・・。
小林賢太郎さんが悪いというより、ブラックユーモアやサブカルチャー分野から人選したことが根本的に間違いだったのかもしれませんね。
小山田圭吾の件と同列でいいの?ネットの意見まとめ
小林賢太郎さんの動画拡散と電撃解任の一報を受け、SNS上は炎上騒ぎになっています。
ただ、小山田圭吾さんの件とは少し違う展開があるようですね。
一部をまとめます。
【チェック!】小山田圭吾さんの炎上した武勇伝とは・・・?
まずは、小林賢太郎さんの動画は「一発アウト」とする意見。
また、小林賢太郎さんの動画がブラックユーモアに過ぎないとする意見。
オリンピック組織委員会の不備を指摘する意見。
オリンピック反対派の政治的道具に使われたとする意見(陰謀論?)
そして、小林賢太郎さんのファンのコメント。
小山田圭吾さんの件と大きく異なるのは、ファンの意見が多くコメントされていることでしょうか。
そしてそもそも、サブカルチャーとオリンピックは、別物として楽しむべきとの意見も。
実際のところ、小林賢太郎さんは「誰も傷つけない笑い」を探求してきた実績があり、震災被害者への支援も行ってきた事実はあります。
一方で、海外のオリンピックで、「原爆」や「東日本大震災の津波」をジョークのネタにしたコメディアンが開会式を演出するなら・・・。
やっぱり抵抗感は大きいです。
小林賢太郎さん、オリンピックの演出担当を受けないでほしかった。